この記事では、ロードバイク用グリスについて書いています。
ロードバイクのホイールハブやネジ類、ケーブルなどに使われているグリス。
グリスがあることでホイールやペダルの回転がスムーズになり、ボルトの焼け付きを防ぎ、シフトやブレーキが問題なく機能します。
また接合部にゴミや雨水が入ることを防ぐので、錆止め効果もあります。
そのためメンテナンス時にはグリスが落ちていないかの確認が大切!
しかしロード初心者にとって、グリスはオイルほど馴染みがあるものではないかもしれません。
「グリスにはどんな種類があるの?」「どこに塗ればいいの?」「オイルはグリスの代わりになるの?」「結局どのグリスを買えばいいの?」といった疑問が湧くことでしょう。
今回はそんなグリスに関する疑問に答えつつ、ロードバイク用グリスおすすめ9選をご紹介します。
1番おすすめなのは、シマノの「プレミアムグリス」
どんなパーツにも使いやすい万能型のグリスで、国内最大手メーカーの品質と信頼があります。
グリスは製品ごとに用途が分かれているものもありますが、とりあえず最初の1本としてプレミアムグリスを選んでおけば不便を感じることはありませんね!

ロードバイク用グリスの選び方

ロードバイク用グリスには、容器がボトルとチューブの2タイプあります。
ボトルタイプは缶の中にグリスが入っていて、指で掬い取って使うタイプ。チューブタイプはチューブからひねり出して使います。
それぞれにメリットとデメリットがあり、自分にとって使いやすい方を選ぶと良いでしょう。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
ボトルタイプ | ・グリスを取り出しやすい ・最後まで無駄なく使える | ・使っているうちにゴミが混入しやすい |
チューブタイプ | ・ゴミが入らない ・細い場所に塗りやすい | ・チューブ先端のグリスが固まるとグリスが出なくなる |
グリスは製品ごとに硬さが異なり、グリスの硬さは稠度(ちょう度)という単位で表されます。
000号が最も軟らかく、6号が最も硬い。ロードバイク用グリスでは2~4号あたりの中間的な硬さが多いです。
グリスが硬いとやや塗りにくくなりますが、そのぶん落ちにくく長持ちします。慣れた人であれば硬めのグリスを使うのも良いでしょう。
グリスについて細かいことは分からない、もしくはそこまでこだわらないという場合は、手っ取り早くメーカーで決めるのもアリです。
ロードバイク用グリスを扱う有名メーカーは、シマノ、フィニッシュライン、AZ、マックオフ。
大体この4社の製品であれば、品質面で不満に思うことはないですね!
ロードバイクのどこに塗るかによって、グリスを使い分けた方が良い場合も。例えばシマノからは「フリーハブ専用」や「ケーブル専用」のグリスが出ています。
これらは粘度や成分に違いがあり、それぞれの専用箇所に最適化されたグリス。ケーブルにはケーブル専用を絶対に使わなければいけない、ということはありませんが、こだわりたい人は検討すると良いでしょう。
一方で厳密に用途が決まっているグリスもあります。
例えばフィニッシュラインの「ファイバーグリップ」は、カーボン素材の表面を「滑りにくくする」ためのグリス。
カーボンは繊細なトルク管理が求められるので、このグリスで滑り止めをすることでクランプ部分の「締め過ぎ」を防ぐのです。
ロードバイク用グリスおすすめ9選

ここからは、ロードバイク用グリスおすすめ9選を紹介していきます。
- シマノ プレミアムグリス
- AZ MGR-003
- AZ MGR-006
- マックオフ バイオグリース
- フィニッシュライン プレミアムテフロン強化グリース
- シマノ フリーハブグリス
- シマノ ケーブルグリス
- シマノ RDスタビライザーグリス
- フィニッシュライン ファイバーグリップ
メーカー | SHIMANO(シマノ) |
容量 | 50g(ボトル)、100g(チューブ)、500g(ボトル) |
主な用途 | 万能 |
- 大手国内メーカー製の高品質な万能型グリス
- 品質、値段、流通の多さを踏まえて最も使い勝手のいい製品
- ボトルタイプとチューブタイプから選べる
- とりあえずグリスを1本常備しておきたい人
- 割とどこにでも使える高品質で良コスパの製品が欲しい人
- 容器タイプを選びたい人

メーカー | AZ(エーゼット) |
容量 | 15g |
主な用途 | 万能 |
- ボトムブラケットやハブなど全般的に使えるグリス
- ケミカル系のメーカーとして信頼度が高い
- 量が少なくて安い
- 万能型のなるべく安いグリスが欲しい人
- 頻繁にメンテナンスをするつもりはないので、少しの量で十分な人

メーカー | AZ(エーゼット) |
容量 | 45g |
主な用途 | 万能 |
- 極圧剤を使用しており、摩擦抵抗を大きく抑えている
- 防錆剤によりサビに強い
- レース目的などで僅かでも速く滑らかに走りたい人
- 錆の防止を優先したい人

メーカー | Muc-Off(マックオフ) |
容量 | 150g |
主な用途 | 万能 |
- ヨーロッパで人気のケミカルブランド
- 人体や環境への負荷が少ない生分解の性質
- チューブタイプとしては容量が多い
- メーカーが好きな人
- 刺激が強い化学物質を避けたい人

メーカー | FINISH LINE(フィニッシュライン) |
容量 | 100g |
主な用途 | 万能 |
- グリスの中でも錆止め効果が非常に高い
- 容量に比して安価でコスパが良い
- 耐久性(錆止め効果)が高い製品を求める人
- それなりの量をなるべく安く使いたい人

メーカー | SHIMANO(シマノ) |
容量 | 50g |
主な用途 | フリーハブ |
- フリーハブ専用の高信頼・高品質なグリス
- ラチェット音が気になりだした人
- 万能型のプレミアムグリスよりも、フリーハブに特化したグリスが欲しい人

メーカー | SHIMANO(シマノ) |
容量 | 50g |
主な用途 | ケーブル(SIS-SP41、BC-9000) |
- シマノのケーブル用に特化したグリス
- SIS-SP41(シフトケーブル)やBC-9000(ブレーキケーブル)を使っている人
メーカー | SHIMANO(シマノ) |
容量 | 50g |
主な用途 | スタビライザー付きのリアディレイラー |
- スタビライザー(振動でチェーンが暴れるのを抑える装置)専用のシマノ製グリス
- スタビライザーから異音が出たり、変速がしにくくなったりしている人

メーカー | FINISH LINE(フィニッシュライン) |
容量 | 50g |
主な用途 | カーボンパーツの滑り止め |
- カーボンパーツの摩擦係数を上げることでクランプの締め過ぎを防ぎ、カーボンの破損を防ぐ
- ステムやシートポストなどにカーボンを使っている人
ロードバイク用グリスに関するよくある質問
- グリスはどの箇所に使う?
-
ロードバイクにおいてグリスを塗るのは、主に「回転に関係する箇所」と「ネジ類」。
具体的には、
- ペダルの軸
- ボトムブラケット
- シートポスト
- ハンドル軸
- クイックリリース
- 各ネジ・ボルト部分
などが挙げられます。
回転系は滑らかな駆動を確保するため、ネジ部分は固着を防ぐためにグリスが必要。また両者とも埃や水の侵入を防がなければいけないので、そのためにもグリスを使います。
ただし注意点がひとつ。回転系やネジ部だからといって、何にでもグリスを塗ればいいわけではありません。
例えばシマノではグリスを塗る場所のマニュアルを公表しており、それ以外の部分には塗ってはいけないとしています。
グリスが不要にもかかわらず塗ってしまうと、制御が効かなくなったりオーバートルクになったりすることがあるからです。
更にややこしいのは、マニュアルもグリスを塗る場所の全てを網羅しているわけではないということ。
また「選び方」の項でも書きましたが、用途が決まっているグリスもあるため注意が必要。
「グリスをどこに塗るのか」については、初めに書いた考え方を基にして、確信が持てなければメーカーに問い合わせるようにした方が良いでしょう。
- グリスを塗る頻度は?
-
グリスはオイルと違って流れ落ちにくいので、短期間で塗り直す必要はありません。
自転車屋さんから「半年に1回はロードバイクの点検をした方が良いよ」といったことを言われた人もいると思いますが、そうした年に数回の整備・点検で確認する程度で十分です。
大会前とか、雨の日に乗ることが多かった、という場合にはその都度チェックしても良いでしょう。
またラチェット音が変化したとか、その他にも何かしらの違和感を覚えたときにも確認することをおすすめします。
- グリスはオイルで代用できる?
-
できません。できないというより、やってはいけないと考えましょう。
グリスを塗るべき場所に液体のオイルを使うと、オイルもグリスも流れ落ちるので逆効果。
一方でオイルを使うべき場所(チェーンなど)にグリスを使ってもいけません。汚れが固着して部品を痛める可能性があるからです。
まとめ
今回はロードバイク用グリスを以下のラインナップでお伝えしました。
- シマノ プレミアムグリス
- AZ MGR-003
- AZ MGR-006
- マックオフ バイオグリース
- フィニッシュライン プレミアムテフロン強化グリース
- シマノ フリーハブグリス
- シマノ ケーブルグリス
- シマノ RDスタビライザーグリス
- フィニッシュライン ファイバーグリップ
全体的に使えるグリスと一部のパーツ専用グリスがあり、目的やこだわりに合わせて選ぶのも面白そうですね。
各グリスの特性を把握して、快適な走りを楽しみましょう。